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インプラントの歴史のはじまり
インプラントの歴史はとても古く、最古のインプラントは、紀元前約550年のトルコの古墳から石製インプラントが発見されています。その他にも各地の遺跡から、様々な種類のインプラントが発見されています。 近代では、19世紀から20世紀のはじめに、金属製インプラントで様々な形態の物が試みられました。しかし、この時代のインプラントはまだ「成功するインプラント」とは言いがたいものでした。 |
紀元600年頃のインプラント。歯の形の貝殻が下顎に埋め込まれています。 |
1952年
オッセオインテグレーションの発見
1952年 |
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1960〜70年代
ブローネマルク・インプラントの臨床応用と各種インプラントの開発
1961年 | シェルシェブ(Chercheve)によるインプラント
無切開でインプラントを埋入し、アバットメント部を屈曲、クラウンを入れるというものです。このインプラントは現在も販売されていますが、主流ではありません。 |
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1965年 |
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1970年 | Linkowによるブレード・インプラント 先端の大きな爪が広がった形状から、失敗した場合骨欠損が大きくなることや、臼歯部に埋入部位が限られることなど、ブローネマルク・インプラントと比べて長所が無かったため、現在は行われていません。 |
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1974年 |
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1978年 | 川原によるサファイア・インプラント 酸化アルミニウムにチタンと鉄を混ぜて作られた材質です。人工サファイアを使用したサファイア・インプラントによる治療が、1990年代前半まで一部の歯科医院で行われました。 骨結合をおこさなかったため隣在歯と連結しなければならなかったこと、サファイア・インプラントは折れたり、失敗が続いたことが問題になりインプラントへのイメージを悪化させました。現在では、サファイア・インプラントはほとんど使用されていません。 |
1980年代
ブローネマルク・インプラントによるオッセオインテグレーション・インプラント治療の確立
1982年 |
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1983年 | 日本初のブローネマルク・システムによるインプラント手術が、東京歯科大学で行われました。 これが日本へ「成功するインプラント」が導入された初めての事例になります。 |
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1986年 | ストローマン社が、モーステーパー連結を開発 |
1990年代
ブローネマルク・システム以外の粗造表面オッセオインテグレーション・インプラントの台頭
ブローネマルク・インプラントの成功を模倣し、世界各国でブローネマルク・システムに類似のインプラント・システムが発売されました。
ほとんどの歯科医師がインプラント治療の初心者であったこの時代には、ブローネマルク・システムは2回法の手術プロトコルは複雑で難しく、導入コストが高額で、インプラント治療の普及のさまたげになっていました。 ストローマン・インプラントは、ブローネマルク・システムと比べると1回法でプロトコルが簡略化されており、導入コストも安価で、当時機械研磨表面しか持たなかったブローネマルクと異なり粗造表面を持ち、成功率の高いインプラントであったため、急速に普及していきました。 また、アメリカでは、ブローネマルク・システムと同じ形状で、ストローマン・インプラントと同様の粗造表面を持ち、成功率の高い3iインプラントが急速に普及していきました。 さらに、日本では、国産初のオッセオインテグレーション・インプラントであるPOIシステム、ストローマン・インプラントを模倣し、更に安価になったプラトンシステムが発売され、普及していきました。 このように、粗造表面を持つオッセオインテグレーション・インプラントの台頭により、機械研磨表面を堅持しすぎたブローネマルク・システムはシェアを落としていきました。 また、この時代はゴアテックス・メンブレンを用いた骨造成の技術が進歩した時代でもあります。 |
1990年 | 国産初のチタン製2ピース・インプラントであるPOIシステムが発売されました。 | |||||||
1991年 | 3i社が、直径5.0mm、6.0mmのワイド・インプラントを開発。プラットフォーム・スイッチングの可能性。 | |||||||
1996年 |
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1997年 |
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1999年 | ストローマン社が、synOcta補綴システムを開発 |
2000年〜2010年
タイユナイト表面インプラントによる即時機能 -より早く、より美しく-
ブローネマルク・システムより簡単で、コストが安く、成功率も高い他社のオッセオインテグレーション・インプラントの台頭により、2002年くらいまでブローネマルク・システムはシェアを落としました(2000年の国内トップシェアは国産のPOIシステムでした)。
ブローネマルク・システムを有するノーベルバイオケア社は、新しいタイユナイトという粗造表面のインプラントを2001年に日本で発売しました。このタイユナイト表面は、大変優れた表面性状で、他社の表面性状と違い、35Ncm以上の埋入トルク値を得れば即時機能が可能であることが2002年にFDAで承認されました。タイユナイト表面は、歯肉とインプラントが結合し骨吸収を防ぐソフトティッシュ・インテグレーションが可能な、初の表面性状でもあります。 また、ノーベルバイオケア社は、扱いやすく、審美部位にも最適なインターナル・コネクション・インプラントのリプレイス・セレクトを2003年に日本で販売しました。さらに、即時機能用1ピース・インプラントであるノーベルダイレクト、新しい無歯顎欠損補綴のコンセプトであるオールオンフォー(All-on-4)、コンピュータガイドステントによるノーベルガイド、簡便な方法で即日にインプラント治療を完了させるコンセプト(Teeth-in-an-hour、即時機能)のため、現在では再度シェアトップになっています。 |
オールオンフォーによる無歯顎即日インプラント治療
CTナビゲーションによるシミュレーション・インプラント手術
2001年 |
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2002年 | タイユナイト表面のインプラントによる即時機能がFDAで承認されました。 | |||
2003年 |
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2003年 |
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2004年 |
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2004年 | ドイツのフリアデント社からザイブ・インプラントが日本で発売されました。あらゆるインプラントの欠点を克服したインプラントと言われます。 | |||
2004年 | スイスのトーメンメディカル社からSPIインプラントが日本で発売されました。 | |||
2005年 |
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2006年 |
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2006年 | 日本のJMM社からPOI-EXが発売されました。 ノーベルバイオケア社のリプレイス・セレクトと似ており、テーパー、パラレルの2つのフィクスチャー形状を有するインターナル・インプラントです。 | |||
2006年 |
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2008年 |
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2010年〜
科学的根拠のある確実なインプラント治療へ
リスクの高い即時荷重から、確実な早期荷重へ
早期荷重に適した第3世代の表面性状と新しいインプラント素材の開発
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