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海外のインプラントメーカー
ブローネマルク・システム、ノーベルスピーディー・グルービー
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| スウェーデンのブローネマルク教授によって発見された、オッセオインテグレーション(骨結合)を元に開発された、世界初の実用インプラントです。 現在のインプラントの基盤となっていて、世界的に最も知名度の高いインプラントです。単独埴立から頬骨インプラントまで、あらゆる症例に対応でき、最も汎用性のあるインプラントといえます。 全顎補綴や傾斜埋入といった、高度で特殊な治療の際に非常に扱いやすく、インプラント初級者には敷居が高く、インプラント上級者を満足させるインプラント・システムになっています。 ブローネマルク・マークVは、マイナーチェンジによって、プラットフォームぎりぎりまでタイユナイト表面処理され、機械研磨のカラーがなくなりました。また、ブローネマルク・マークIVと呼ばれた骨質が良くない場合専用のインプラントはフルモデルチェンジされ、ノーベルスピーディ・グルービーになりました。先端先細りの形態により、マークWよりもはるかに初期固定を得やすくなっています。オールオンフォーなどの即時負荷で非常に有用なインプラントです。 このシステムが医院に導入されているかが、レベルの高い治療を行っているかの判断基準のひとつになります。 |
ノーベル・リプレイス
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| ブローネマルク・システムで有名なノーベルバイオケア社が、ステリオスという会社を吸収合併して作ったインプラントが、リプレイス・セレクトです。リプレイス・セレクトは、マイナーチェンジされ、ノーベル・リプレイスになりました。全顎補綴や傾斜埋入といった高度で特殊な治療では、上部構造はスクリュー固定になります。しかし、通常のインプラントの上部構造は、セメント固定もよく行われます。 ブローネマルク・システムは、プラットフォームがエクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)のため、スクリュー固定には使いやすいのですが、セメント固定用アバットメントの接続に少し手間がかかります。また、手術の際に、ブローネマルク・システムは、手術器材の種類が多く複雑で、初心者には扱いにくいと言えます。形状もストレートなので、隣の歯が天然歯の場合などは、埋入しにくいと言えます。 リプレイス・セレクトは、ブローネマルク・システムの欠点を補っています。プラットフォームが内側3角のため、補綴の際にアバットメント接続が容易です。手術器具も簡便化されていて扱いやすく、中級者から上級者まで満足させるように作られています。形状もテーパー型とストレート型の両方が準備されています。 インプラントの表面性状はブローネマルク・システムと同じく、タイユナイトというノーベルバイオケア社独自のものです。ソフトティッシュ・インテグレーションも可能で、35Ncm以上の埋入トルク値を得れば、即時機能が可能な優れた表面性状です。 マルチユニット・アバットメントによる補綴を行えば、リプレイス・セレクトとブローネマルク・システムの器材が全て共用できるように作られています。ドライバー、トルクレンチなどは共用できるように両システムで無駄がないように作られています。 これらの長所のため、現在ではブローネマルクやスピーディ・グルービーといったエクスターナルのシステムよりも、インターナルのノーベル・リプレイスが販売本数が多くなっています。ノーベル・リプレイスは、世界でもっとも販売本数の多いインプラント・システムです。 |
ノーベルダイレクト
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| ノーベルバイオケア社のミック・ドラグー博士が開発した、即時機能用1ピース・インプラントです。 1ピース・インプラントのため、フィクスチャーとアバットメントの接続部分が無く、マイクロ・ギャップがありません。さらに、アバットメントまでタイユナイト処理してあることにより、歯肉がインプラント表面にソフトティッシュ・インテグレーションします。この特徴により、術後の骨吸収をほとんど認めない、優れたインプラントです。 埋入器具はノーベル・リプレイスと共用されています。このため、手術中に即時機能は不可能と判断した場合は、埋入するフィクスチャーをノーベル・リプレイスに切り替えることもできます。 歯を1〜2本失った場合で、骨の状態が良い症例に最適です。フラップレス手術で手術侵襲を最小限とし、即時に仮歯まで仕上げられるように作られています。 直径の極めて小さいスーパーナロー・インプラントのノーベルダイレクト3.0もあります。直径3.0mmのインプラントを用いることにより、上顎の側切歯や下顎前歯部の埋入も可能となりました。 多少の骨裂開の場合でもソフトティッシュ・インテグレーション可能なタイユナイト表面により骨造成は不要です。 |
ストローマン・インプラント
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| 1972年にスイスのベルン大学と、ストローマン研究所との協力で開発されたインプラントです。以前はITIインプラントと呼ばれていました。 1回法のインプラント手術が基本ですので、ブローネマルク・システムに比べ術式が簡便なのが特徴です。
システムも1つのキットボックスに収まり、シンプルです。また、世界で初めて粗造表面を開発した会社の成功率が高いインプラントといえます。フリクションによるアバットメント接続のため、バットジョイントに比べ骨吸収が少なく、長期的な予後も良好です。
1990年代、ブローネマルクインプラントは粗造タイユナイト表面を持たず、機械研磨のままでした。このため、ストローマン・インプラントは成功率の高いインプラントとして急速に普及しました。
(表:インプラント表面性状の進化。表面性状の改良により、骨結合にかかる時間は大幅に短縮されました。 日本の厚労省の認可は非常に遅いため、優れた海外インプラントが3〜5年遅れで発売されます。新開発のSLAactiveは国内未発売のため、スイスから輸入の手続きを完了している歯科医院で治療をうける必要があります。 ところで、モノを販売するすには、マーケッティングは必要なことかもしれません。インプラントも例外ではないようです。一部のメーカーは、広告宣伝活動を重視し、科学的に十分確立されていない治療法を提唱しているとも思えます。このため、もっとも科学的根拠に基づくインプラント治療を提供しているメーカーは、ストローマン社になったと思われます。 現在、ストローマン社は世界シェア第2位(18.9%)のメーカーです。科学的根拠に基づく治療法は、SAC分類やITIトリートメントガイドにまとめられています。
このため、1回法のインプラントは、審美部位の埋め込みに不利です。 ![]() (図:従来型のスタンダード、プラス、TEインプラントは2.8〜1.8mmのカラーの部分があり、審美的な治療や骨造成を伴う治療には不利です。) そこで、ボーンレベル・インプラントが開発されました。ボーンレベル・インプラントは、3種類の直径をもます。標準径(RN)とワイド径(WN)は、バイオメット3i社のインプラントのようにスイッチングできます。
表面性状は、SLAからSLAactiveに進化しました。最新の表面性状であるSLAactiveは2次固定までの期間をSLAの6〜8週から、3〜4週に短縮させました。
(Fig1:歯科医師の治療技術により、インプラントとあごの骨との機械的な固定(1次固定、緑の線、通常35〜45Ncm)が獲得されます。しかし、術後5日くらいから、1次固定は徐々に緩んでいきます。しかし、真の骨結合である2次固定(青い点線)が獲得されていくので心配ありません。 ストローマン社のHPによれば、TiUniteやNanotiteと比較して、2倍の除去トルク、4倍の骨インプラント接触率を、SLActiveは示しました。) ![]() (Fig1:インプラント埋入後の除去トルクの比較。SLActive表面(ストローマン)は、TiUnite表面 (ノーベルバイオケア)の2倍の除去トルクを示します。 つまり、早期荷重の時期において、SLActiveはTiUniteよりも明らかに2次固定力が大きく有利といえます。 ![]() (Fig3:早期荷重の時期に、骨とインプラントの接触率を調べました。 Consistent emergence profilesと呼ばれる、治療過程でインプラント周囲の歯ぐきの形を一定に保つ工夫もされています。バイオメット3i社ではEPシステムといわれる工夫に相当します。 (新開発のクロスフィット・コネクション。45°単位のアバットメント角度補正が可能でありながら、接続感覚が指に伝わる。)
上部構造のパーツも充実しています。マルチベース・アバットメントと呼ばれる多数歯スクリュー固定用パーツも登場しました。ノーベルバイオケア社のマルチユニット・アバットに相当します。 |
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バイオメット3i(スリーアイ)インプラント
| 開発国:アメリカ 会社名:バイオメット3i社 表面性状:フルオッセオタイト、ナノタイト 形状:パラレル、テーパード 連結様式:エクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)、インターナル・クイックシート・コネクション 特徴:豊富なラインナップがあります。特にプラットフォーム・スイッチング・専用インプラントのプリベイルは、他社にはない特徴です。 世界シェア:第3位(14.1%) ユーザーレベル:中級〜上級者 |
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外側6角であるエクスターナル・オッセオタイト・インプラントは、ブローネマルク・システムを模倣したインプラントです。ブローネマルク・システムが機械研磨表面のままであった1990年代に、成功率の高い粗造表面(オッセオタイト)と、ブローネマルク・システムの汎用性の両方の長所を合わせ持ったため、開発国のアメリカで急速に普及しました。
図:3iのエクスターナル・オッセオタイト・インプラントは、ブローネマルク・マークIIIとほぼ同じ形状です。) 表面は、先端から第3ネジ付近までは粗造オッセオタイト表面、ネック部から第2ネジ付近までは機械研磨のハイブリッド・デザインが特徴でした(左 オッセオタイト・ハイブリッド)。 現在は、ネックまですべて粗造オッセオタイト表面になったフルオッセオタイト・インプラントも発売されました(右 フル・オッセオタイト)。フルオッセオタイト・インプラントでは、オッセオタイト表面が3割以上増加しています。) エクスターナル接続のインプラントは、特殊な治療には有効です。例えば、斜めにインプラントを入れる傾斜埋入や、歯が全くない場合の全顎治療の場合は有効です。
(写真左:エクスターナルインプラントによるオール・オン・フォー、写真右:エクスターナルインプラントによる傾斜埋入。写真提供:かねこ歯科インプラントクリニック) エクスターナル・インプラントでは、埋め込むときに、インプラント・ドライバーやインプラント・マウントに力をいれすぎても、インプラントが破折したりしません。角度は、60°または30°単位でアバットメントを角度補正できます。
(写真提供:かねこ歯科インプラントクリニック) しかし、エクスターナル接続は、通常のインプラント治療では使いにくいこともあります。たとえば、型採りの時に、印象コーピングの接続が指に伝わってこないことや、インターナル接続と比べると、アバットメントの連結が弱く、緩み易いなどです。 このため、バイオメット3i独自のインターナル接続サーテンが開発されました。 サーテン・コネクションは、コーピングを接続する感触が指に伝わることが特徴です。このクイックシート接続のおかげで、型採りのミスが起きません。 インプラントレベルの型採りの時に、印象コーピングが正しくインプラントに連結されているかどうかの確認は重要です。もちろん、デンタルX線写真でも確認できます。 しかし、インプラントとフィルムの位置関係により、X線写真でも接続の誤りが確認できないときがあります。もしもコーピングのずれが原因で型採りを誤れば、やりなおさなければならないので大変です。 角度補正が30°単位で行えることも、サーテンの特徴です。インプラントを埋め込む時に、他社のインターナルシステムでは、ローブ(頂点)の一端を傾斜軸方向に向ける必要があります。上級者になれば、ローブの位置決めは難なくこなせるようになります。しかし、初級者のドクターには、手術中にローブの位置決めを行うことは厄介なことです。位置決めが悪ければ、角度付きアバットメントを正しく連結できなくなってしまいます。30°という小さい単位で角度補正を行えるサーテンでは、ローブの位置決め自体の必要性がないのです。
(図:他社では、インプラントの埋め込みの際に、ローブの位置を気にしないといけない(左)。しかし、角度が細かく補正可能なサーテン・インプラントでは、その必要がありません(右)。) バイオメット3i社が初めて採用したプラットフォーム・スイッチングも、サーテンで可能です。プラットフォーム・スイッチングとは、インプラントネック部の骨吸収を防ぐ方法です。直径φ5.0のシーティングサーフェスに、直径φ4.1mmのアバットメントが連結可能になっています。更に、スイッチング専用インプラントのプリベイルも発売されています。他社には、これほど確立されたスイッチング専用インプラントはありません。 サーテンの欠点は、クリックゾーンの強度を保つためにチタン合金製になったことです。純チタンの方が、骨結合には有利だと考えられます。 チタン合金性のサーテンインプラントの骨結合を有利にするためか、ナノタイトという表面性状も開発されました(国内未発売)。したがって、表面性状は、オッセオタイト、ナノタイトから選べるようになりました。ナノタイトは、オッセオタイト表面に、ナノメーターの大きさのリン酸カルシウム(CaP)の分離結晶沈殿(DCD)をナノテクノロジーで結合させた新開発の表面です。 最近は、非常に難症例の場合においても、インプラント治療が行われるようになりました。例えば、インプラントの即時荷重、抜歯即時インプラント埋入、インプラント埋入と同時の骨造成、審美領域へのインプラント埋入、骨質が悪いところへのインプラントの埋入、ショートインプラントやワイドインプラントが必要な部位への埋入といった場合です。ナノタイトという新しい表面性状により骨結合が加速されるため、インプラントが困難な症例に有利になると考えられます。
(写真左:オッセオタイト、右:ナノタイト。ナノタイトは国内未発売のため、のため、米国から輸入手続きをとっている歯科医院で治療可です。) バイオメット3i社のインプラントは、ノーベルバイオケア社についでラインナップが豊富なシステムといえます。 形状は、パラレル、テーパードがあます。ナチュラル・テーパード・インプラント(NT)はパラレル・インプラントを改良したものではなく、テーパード専用ドリルを用いた本格的なものです。このテーパード専用ドリルでは、目盛りを読む必要がないため、手術がしやすく感じます。 (図:3iインプラントには、インターナル・サーテン(左の2本)、エクスターナル(右の2本)、パラレル(左から1、3番目)、ナチュラルテーパード(NT、左から2、4番目)があり、ラインナップが豊富です。) アバットメントの接続は、新型インターナル・サーテン、または、従来型のエクスターナル・ヘックスから選べます。
(図:バイオメット3iインプラントには、パラレル、テーパード形状のインプラントそれぞれに、ハイブリッドオッセオタイト、フルオッセオタイトがある。その他に、スイッチング専用のプリベイルがある。) バイオメット3iインプラントは、カラー部に機械研磨を残すオッセオタイト・ハイブリッドと、カラーまですべて粗造面であるフルオッセオタイトに分かれます。 以前は、機械研磨表面の方が、プラーク(お口の中のバクテリア)が付着しにくいと考えられていました。しかし、粗造表面とプラークの付着とは関連がないことが解ってきました。そこで、機械研磨面がないフルオッセオタイト・インプラントは発売されました。現在は、長期的に骨吸収の少ないフルオッセオタイトの方が主流になってきています。
(図:5年間の観察期間において、フルオッセオタイト・インプラントは、ハイブリッド・オッセオタイト・インプラントよりも骨吸収が少なかった。) |
アストラ・インプラント
| 開発国:スウェーデン 会社名:アストラテック社 表面性状:タイオブラスト 連結様式:テーパーフリクション ユーザーレベル:中級〜上級者 |
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インプラント上部にマイクロスレッドを付与しているため、プラットフォーム部の骨吸収が少なく、前歯部に優位なインプラントです。
世界的に有名なメーカーですが、九州・山口地区ではシェアが少ないと思われます。 |
ジマー・インプラント
| 開発国:アメリカ 会社名:ZimmerCALCITEK社 表面性状:HA 連結様式:スプライン ユーザーレベル:中級者 |
| インプラントの表面性状には、多く分けてチタン粗造面とHAコーティングの2種類があります。 上顎の骨など骨密度の良くない部位には、HAインプラントがよく用いられます。 HAとは「ハイドロキシアパタイト」の略で、骨の無機質の大部分を占めるものです。インプラントの表面をHAでコーティングすることによって、インプラントと骨の結合(HAインプラントの場合はバイオ・インテグレーションとよばれます)を促進させます。 「キング・オブ・HAインプラント」と呼ばれるカルシテックのインプラントは、インテグレーションしやすく性能が良いようです。しかし、HA自体の長期的な信頼性には多少の疑問があると考えます。 |
ザイブ・インプラント
| 開発国:ドイツ 会社名:フリアデント社 表面性状:セルプラス 連結様式:内側6角 ユーザーレベル:中級〜上級者 |
| ザイブ・インプラントは、2004年ドイツのフリアデント社から発売となった、新しいインプラントです。 世界初のテーパード・インプラントである、フリアリット2インプラントのテーパーを少なくして、シリンダータイプのインプラントに近づけた形状をしています(フリアリット2はテーパーがきつすぎたため、リプレイス・セレクトやオッセオタイトNTと比較すると、ドリルが流されやすかった)。 また、結合部はフリアリット2インプラントと全く同じ内側6角となっており、補綴処置(人工の歯を作ること)の際に互換性があるように設計されています。 インプラント体の表面性状は新しく開発された「セルプラス」となっており、オッセオインテグレーションをより早く、そしてより強固に促進させます。 プラットフォーム・スイッチングにも対応しており、唯一スーパーナローの直径3.0mmの2ピース・インプラントも用意されています。 インターナル・コネクションのみを使用すると考えれば、非常に性能の良いインプラントと思われます。 |
SPIインプラント
| 開発国:スイス 会社名:トーメン社 表面性状:サンドブラスト加工+酸エッチング処理(特に名称なし) 連結様式:内側6角 ユーザーレベル:初級〜中級者 |
| SPIインプラントは、スイス、トーメン社が製造し、平成16年よりアスパックコーポレーションが輸入発売を始めた新しいインプラント・システムです。
ストローマン・インプラントのインターナル・コネクション仕様といった感じのシステムです。 後発のインプラント・システムですが、インプラントとアバットメントの接合部分の精度以外は特に目新しいものはありません。 ストローマン・インプラントの汎用性の無さや、審美性の低さに問題を感じているユーザーには最適かも知れません。 最大の歯科業者のモリタが販売しているので、初級者のユーザーには情報が届きやすいようですが、初級者にはストローマン・インプラントの方が簡単かもしれません。 |
日本のインプラントメーカー
POI(ピー・オー・アイ)インプラント
| 開発国:日本 会社名:日本メディカルマテリアル(JMM) 表面性状:陽極酸化処理、HA 連結様式:内側6角 ユーザーレベル:初級〜中級者 |
| POIインプラントは、日本のインプラント・システムの中では最も歴史があります。JMMは日本最大のインプラントメーカーといえます。 POIシステムは1990年から発売されました。1ピースから3ピースのインプラントまで持つ独自性と、陽極酸化処理とHAの2種類の表面性状を1社でもつ、オールラウンド・システムが特徴で、2000年には国内最大のシェアとなりました。 しかし、今日のインプラント治療は審美性を求められるようになってきましたので、プラットフォームが直径4.2mmの1種類しか持たない点で不利で、シェアを落としていきました。 このため、2006年秋に、プラットフォームに多種を持つPOI-EXを発売しました。POI-EXはノーベルバイオケア社のリプレイス・セレクトに良く似ており、プラットフォーム直径に多種を持ち、テーパー型・ストレート型の2種類のフィクスチャー形状と、2種類の表面性状(陽極酸化処理・HA)を有する内側接続のインプラント・システムです。 しかし、プラットフォーム直径が多くなったため、材料代が以前のPOIインプラントより高額になる点、ドリルの数が同様の他社システムよりも多く手術が煩雑になる点、旧POIインプラントと互換性がない点(同じプラットフォーム直径4.2mmでも、POIシステムとPOI-EXに互換性がない)、同様のシステムは海外メーカーからすでに発売されている点から、旧POIインプラントのユーザーは困惑しているようです。 POIインプラントの販売拠点は福岡県にあります。歯科医師のインプラント教育に力を入れているので、九州・山口で初めてインプラント治療を始める歯科医師には向いていると思われます。九州・山口では現在でもシェア最大級と思われます。 |
AQBインプラント
| 開発国:日本 会社名:アドバンス社 表面性状:HA 連結様式:1ピース、内側SOL ユーザーレベル:初級者 |
| AQBインプラントは、アドバンス社が製造している国産のインプラントです。 純度の高いHA表面が特徴で、成功率が高く、術式も簡便、治療期間も短く、材料代も安価なインプラントです。術者と患者さんにとって負担が少ないことが特徴のインプラント・システムです。このためシェアが拡大しています。 しかし、HA表面自体の長期的な信頼性の問題、1ピース・インプラントが主体で難易度の高い症例には向かないことから、インプラント治療の上級者を満足させるシステムではないと思われます。 |
GCインプラント
| 開発国:日本 会社名:GC社 表面性状:サンドブラスト加工+酸エッチング処理(特に名称なし) 連結様式:エクスターナルヘックスコネクション(外側6角)、内側3角 ユーザーレベル:中級者 |
| エクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)のセティオ・インプラントは、バイオメット3iインプラントを模倣したインプラントと思われます。 今日のインプラント治療のコンセプトに、エクスターナル・ヘックス・コネクション(外側6角)の接続しか持たない点が合わなくなってきたため、2007年に内側3角接続の新型インプラント、ジェネティオが発売されました。 内側のジェネティオ・インプラントは、リプレイス・セレクトのように内側3角ですが、埋入用のインプラント・ドライバーを差し込む部位とアバットメントを差し込む部位が異なる場所になっています。 これは、フィクスチャー埋入時に、埋入ドライバーに過剰な力がかかった場合でも、影響が少なくするための設計です。 ノーベルバイオケア社のリプレイス・セレクトの弱点は、プラットフォーム・スイッチングできないことですが(プラットフォーム・スイッチング・アダプターは発売されていますが、効果は不十分と思います。)、ビルトイン・プラットフォーム・スイッチングが可能な設計になっています(ユニバーサルジョイントシステム)。 また、ノーベルバイオケア社のノーベル・スピーディ・インプラントのように、同じドリルで内側/外側両方のフィクスチャーの両方を埋入できるように設計されています。 |
プラトン・インプラント
| 開発国:日本 会社名:プラトン社 表面性状:SAG,、薄膜HA 連結様式:テーパーフリクション ユーザーレベル:初級者 |
| ストローマン・インプラントを模倣した国産インプラント です。 フィクスチャーはストローマン・インプラントを模倣、埋入マウントはPOIインプラントを模倣しており、システム器具はストローマン・インプラントとPOIインプラントの両方に互換性がある安価なインプラント・システムです。 独自の埋入後に吸収される安全性の高いHAインプラントもラインナップに加えられています。 システムのラインナップは年々充実しており、限定された条件では良い結果を発揮するシンプルなインプラント・システムと思います。 |
その他
| 上記以外にも日本で販売されているインプラントはたくさんありますが、無名メーカーのインプラント、または信頼性に欠けるものもありますので、患者さんは手術前に体内に埋め込まれるインプラントの種類を、手術同意書から確認して下さい。手術同意書にインプラントの製品名が書いてないようではだめです。 とくに、現在ではほぼ消滅してしまったサファイア・インプラントや、骨膜下インプラント、シェルシェブ・インプラントを使用したインプラント治療は受けない方が賢明です。 |
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